金融転職マン

元金融マンが金融業界の転職に役立つ情報を発信します。

【生保業界】生命保険会社の仕事内容を徹底解説

f:id:tenshoku66:20230603094859j:image生命保険とは?

生命保険とは、死亡や病気といったリスクに対して備えるといったのが特徴です。

大勢の人で保険料を負担しあい、その中からリスクに直面した方に対して保険料を支払う仕組みになっているのです。

生命保険は大きく分けて4つに分類されます。

①死亡保険  ②生存保険  ③生死混合保険  ④その他の保険

生命保険の代表的な企業

第一生命、日本生命、かんぽ生命、明治安田生命ライフネット生命 ‌ ‌‌本記事のテーマの本題は、生命保険会社の仕事内容。 ‌生命保険は学生の方には馴染みが少なく、故に仕事についてイメージできない人は多いのではないでしょうか? ‌ ‌この記事では、「営業部門」と「アンダーライティング」、「資産運用」の3つの職種に分けて、生命保険会社の仕事を説明します。ぜひ最後まで読んで、業界研究に役立ててください。

‌生命保険業界の仕組み

まず、職種紹介をする前に、販売の観点から、保険はどういった販売方法が用いられているのかを紹介していこうと思います。


上記の図で示したように、生命保険会社の保険販売方法は下記の3つが挙げられます。

①直接販売
②間接販売
③ネット販売(ダイレクト販売)

‌①直接販売

直接販売ではそのままの意味で、営業の職員が訪問して商品を販売していく形態になります。 ‌ ‌みなさんは、「生保レディー」という単語を聞いたことがありますか? ‌保険外交員の中で特に女性の方がこう呼ばれています。テレアポ、飛びこみ営業、ハガキのポスティングなど営業手段は多くありますが、目標は新規契約の獲得と保全(他社への乗り換えを防ぐこと)。ノルマがあったり、出来高制が用いられていたりと労働環境としては厳しい部分もあるようです。
‌また、保険会社に所属していて主に会社や家庭に訪問し、保険の契約の募集や勧誘を行う人のことを「保険外交員」と呼びます。‌
特に近年では、完全歩合制の外資系保険会社の保険外交員が増加。年収はトップクラスで数千万円にも及ぶと言われます。 ‌自分の実力次第で収入を増やすことができることから、多くの人から支持されている職種です。

②間接販売

直接販売では、保険会社がお客様に対して販売をしているのに対して
間接販売では、保険会社とお客様の様の間に【 代行・代理 】をはさむ販売形態です。
保険代理店や保険ショップ、銀行をメインとした代行を行なっています。
それぞれの役割について解説していきしょう。

(1)保険代理店

保険代理店とは、保険会社と顧客の間で、保険のサービスを仲介する事業です。
自動車産業のディーラーや、家でいう不動産と近い立ち位置となります。

保険の提案等を顧客のライフプランに合わせて提案をする、保険会社と顧客のやり取りの仲介を行うといった業務が行われています。

(2)保健ショップ

保険ショップとは、保険代理店が運営をする【 相談のための店舗 】であり、来訪型の店舗となっています。

「街にあるような携帯ショップの保険バージョン」と考えていただけるとイメージがつきやすいでしょう。

(3)銀行

保険の商品を、銀行や証券会社で販売しているケースになります。

銀行や証券会社でしか取り扱っていない様な商品も存在しているため、
銀行・証券会社での販売が解禁されたあとは、新たな販売形式として人気を博したものとなりました。

③ネット販売(ダイレクト販売)

インターネットの普及により、直接やりとりしなくてもお手軽に保険会社と契約を結ぶことができる様になったのが、この「 ネット販売 (ダイレクト販売)」になります。

顧客がネットを通して購入できるところから、ダイレクト販売と称されています。
顧客が直接選ぶことが簡単になり、見積もりや申し込みなどがすべてネット上で行うことができるのが利点として多くの方に選ばれているのです。

次は、本記事のメインである「営業部門」と「アンダーライティング」、「資産運用」の3つの職種に分けて、生命保険会社の仕事を説明していきます。

生命保険会社の営業部門とは?

生命保険会社の営業部門は以下の3つに分けられます。 ‌ ‌①個人営業 ‌②法人営業 ‌③代理店営業 ‌
上記のいずれの部門でも、保険に関する営業業務を行うことには変わりません。ただし、営業の相手が異なるので、それに伴って保険の内容や営業方法が変わります。それぞれ見ていきましょう

‌‌①個人営業部門

個人営業部門では、リーテイル分野とも呼ばれ、主に個人の顧客や中小企業に対して営業を行います。 ‌ ‌仕事内容を具体的に説明すると、顧客の新規獲得や保険加入者のアフターフォローをするのが主な任務。 ‌ ‌単純な保険の提案だけが目的ではなく、お客様の要望やニーズを聞き出して商品開発につなげたり、中小企業に対して事業の継続を目指したサポートを行ったりしています。(企業によっては中小企業営業が後で説明する法人営業部門に組み込まれる場合も) ‌ ‌後に説明する法人営業部門と異なり、拠点が全国各地に散らばっているのが特徴です。

②法人営業部門

主に大企業や官公庁に対して、団体保険や団体年金など団体向けの保険商品やサービスを提供するのがこの法人営業部門。企業によってはホールセール分野と表記されることがあります。 ‌ ‌この部門が主に扱うのは、「団体保険」と企業が従業員に対して支払う「企業年金」の2つ。これらは企業の福利厚生制度と密接に結びついています。生命保険と聞いて民間人に保険を販売して収益を上げているイメージを抱く方もいるかもしれませんが、大企業で働く方の福利厚生や経営方針に携われるやりがいのある職種の1つでもあるのです。

‌③代理店営業

代理店営業は、保険を直接お客様のもとに届けてくれる代理店に対して営業活動を実施。より多くのお客様に生命保険を届けるために、法人・個人の保険代理店に営業に行く役割を果たします。 ‌ ‌今まで保険の販売は、主に保険代理店に限られていましたが、近年では法改正もあり、銀行の窓口や保険ショップでも保険が販売できるようになりました。生命保険を販売できるお店が増える中で、新規開拓するだけでなく保険の売り方を教育するといった任務も出てきます。

生命保険業界のアンダーライティング部門とは?

アンダーライティング部門の仕事内容は、 ‌
・新契約業務
・契約サービス関連業務
・支払い業務 
‌の3つ。この3つは生命保険加入から支払いまでの一連の流れをサポートするためのお客様に寄り添った仕事内容です。 ‌アンダーライティング部門は、生命保険業界の根幹を支える部門といわれています。 1つずつ見ていきましょう。

‌‌①新契約業務

新契約業務とは、新たに保険に加入したいと考える方の審査から契約までに必要な業務を指すもの。
‌あまりイメージができないかもしれませんが、生命保険に加入する際には審査が必要です。加入時の健康状態や職業等から、その人が保険に加入できるかどうかを決定します。

‌②契約サービス関連

次に契約サービス関連業務。そもそもお客さんが加入したいと思う保険はライフステージによって変わっていきます。 ‌ ‌例えば、20歳で生命保険に新規加入した場合は、死亡可能性が低く、ここに保険をかけようとは考えにくいです。一方で、入院時の治療代を求めたり、貯蓄型の保険に入りたいというニーズは大きいと考えられます。 ‌一方で、70歳を過ぎ、徐々に死のリスクが高まって行くと、死亡した際の保険金が高いものを希望する方が多いはずです。お子さんが生まれたら、死亡した際の保険金を多くもらいたいと考える方もいるでしょう。 ‌ ‌このようにして、お客さんが保険に期待することは、年齢や置かれた環境に伴って変わっていきます。お客様個人のニーズが変わるタイミングで、自社の保険から他社の保険に乗り換えてしまうというのは、保険会社としてはいただけない話。 ‌ ‌お客様のライフステージの変化に合わせて、保険契約を見直し、その時々のお客様の要望にマッチした保険に変更していくのが「契約サービス関連業務」となっています。

③支払い業務

保険加入の際の契約に基づいて保険金や給付金の支払いを行うのが「支払い業務」です。生命保険会社には、保険契約に基づき、お客様に適切な額を支払う義務があります。 ‌ ‌時たまニュースで保険金詐欺という言葉を耳にしますが、詐欺に対していちいちお金を払っていたら本当に保険金を必要としている方に支払うことができなくなります。本当に保険金を支払えるケースなのかを判断し、支払いの手続きをするのが、支払い業務の果たす役割です。

生命保険業界の資産運用部門とは?
前回の記事で、生命保険会社に機関投資家としての側面があることを説明しました。 ‌例えば、業界大手の第一生命グループの資産総額は約50兆円ほどになっており、国内でも有数の投資家ということになります。 ‌50兆円とは、東京スカイツリーを750本建てられるほど。その莫大な資産を実際に運用するのが、資産運用部門となっています。 ‌ ‌一般的な資産運用と異なり、お客様からお預かりしているお金をもとに資産運用をしているため、安全かつ長期的に運用する必要があります。また部門の中でも株式部、外国債券部、不動産部など、担当する部署が分かれており、各部ごとに専門的な知識が求められます。 ‌ ‌安全かつ長期的に安定した運用を行うことはもちろんのこと、その投資が世の中に与える影響力も考慮しているようです。 ‌ ‌例えば、業界大手の第一生命の場合は、責任ある投資家として、社会性や公共性を重視した資産運用も行なっています。再生エネルギー関連や保育所関連など、純粋にお金儲けの手段ではなく、社会をより良くしようとする社会貢献性を高めていく姿勢が見受けられます。

‌生命保険業界のやりがい3選

続きまして、生命保険業界のやりがいについて3つ紹介していきます。

①人々の生命に関わる責任の大きさ

生命保険業界で働くことは、社会に対して貢献しているというやりがいを感じることができるでしょう。

生命保険営業であれば、お客様の人生やプランや、家族構成、時にはローンを含めた収支などを聞いて、一人ひとりに合った保険プランを提案することが求められます。

生命保険業界は、人々が安心感を持つために、必要不可欠なものであり、人々の生命に関わる責任を持ちながら、人の役に立つ仕事です。

②専門知識を自分の人生に活かせる

生命保険業界は、金融業界の一部であり、複雑で専門的な知識が必要です。

そのため、生命保険業界で働くことは、専門知識や市場価値の高い人間になることが可能です。

自分の経験やスキルを磨くことができることもやりがいの1つでしょう。

③コミュニケーションスキルが上がる

生命保険業界は、コミュニケーション能力を向上させることができるのもやりがいに繋がっています。
生命保険の契約は、お客様との信頼関係を築き上げることが非常に重要です。

日々、保険契約を取り扱う人々は、お客様とのコミュニケーションを図り、コミュケーション能力を高めることができています。


以上、やりがいについて紹介しました。